果物の食べ頃って?

勘違い?

 実は私dwbtaは以前とある中堅スーパーで果物担当バイヤーを勤めさせていただいておりました。 バイヤー兼任で店舗の青果部門(野菜と果物)も担当していたので、お客さんの反応も直接見ることができました。 自分が仕入れてきた商品が短時間のうちに完売したときなどは非常にうれしく、「お兄ちゃん、この前勧めてくれたお蜜柑おいしかったで!!」などど声をかけてもらえ、結果が目に見えるのでやりがいある仕事だったと思っております。
 そんな中、お客さんのどうも気になる行動がありました。 果物の「匂いを嗅ぐ」お客さんがあまりに多いことです。
 食べ物を扱う人間にとってもっとも大切なことは「商品の品質管理」です。 雪印食品の牛肉偽装問題に端を発する一連の「食の不安」騒動以降、国民の食品の安全性に対して非常に敏感になり、またそれまでに比べて情報も溺れそうなぐらい氾濫しています。
 しかし実際は日々の生活に直接役立つような簡潔且つ的確な情報は少なく、また一部の情報番組による安易な情報によって誤解して覚えてしまうと言うこともあるようです。 「果物の匂いをかぐ」という行為も一概には言えませんが、鮮度や糖度などを判断材料にはなりません。 「皮がベロッて剥けてしもたぞ!! お前の所はこんな腐ったもん売ってんのか!! 詐欺やないか!! うまそうな匂いしてたし買うたのに!」といったクレームもいっぱいありましたがそういう時は説明します。 「これは『追熟』といって・・・」 大変です。

 「簡潔且つ的確な情報」はWEBサイト内でも非常に少なく、「これはいい!」と思い立ったのでぼちぼち紹介させていただきます。

買い手と売り手の「すれ違い」

 具体的な個々の紹介は後日にすることにして、今日はスーパーなどで生鮮食料品を買い物する上で心得ておいたほうがええんちゃうかな?と思うことについてお話します。

 なぜ「すれ違い」が生じるのか? 鍵は「使用時満足」の言葉にあります。
 皆さんがお買い物に行き商品を物色するときに一番注意することはもちろん鮮度とおいしさだと思います。 これは売り手であるスーパーの従業員も変わりません。 では何が違うのか? 買い手である皆さんは「明日は○○ちゃんの誕生日やし・・・」とか「今日は・・・」というように買った商品をいつ食べようが勝手です。 しかし売り手である従業員は「あのお客さんいつ食べはるんやろう?」 そんなことはわかりません。 わからないので2・3日で腐ってしまいそうな「食べ頃」な商品は「4・5日後に食べはるかもしれん・・・」可能性があるので売ることはできない。 従業員はこのように考えます。 だからバナナであれアボカドであれまだまだ青くて硬い商品が並んでることが多いと思います。 「シュガースポット」が出ているようなちょっと黒く変色したバナナはあまり見かけないと思います。 あっても値引きされていることが多いと思います。

 「使用時満足」とは、
  『買った時ではなく、食べた時においしいと満足してもらえる品質で提供する』

というサービスの基本です。 ただお客さんがいつ食べるかがわからないので、従業員は「ある程度の日数は腐らない」という基準で商品を扱います。 スーパーの果物コーナーでは「新鮮なもの、ある程度の日数は冷蔵庫の中に入れといたら腐らへん物、まだ熟していないもの」が並んでいると心得てもらったほうが良いと思います。
   
 果物の芳醇な香りは「もうアカン、僕腐るわ!」という果物の叫び声や!と教わりました。 「使用時満足」という観点からはええ匂いのする果物に商品価値はありません。 もし匂いを嗅いでええ匂いがしたら、その店はしっかり商品管理ができていないということになります。 そういう果物があれば従業員に「これ悪くなりかけてるし安くして!」と掛け合うのもいいかもしれません。 多分値引きしてくれますよ!

 りんごは食べ頃でなくても良い香りがします。 また香りのしない果物もたくさんあります。 今まで果物を香りを嗅いで判断していた皆さん、果物好きの皆さん、簡単な見分け方があります。 詳しい見分け方などなど後日ボチボチご紹介します。 暇やったら見てください!